七月

 いくらか前に中日と広島が上がってくるかもと予言しましたが中日はズルズルと最下位へ。広島は現状維持。ヤクルトが山田が爆発して一気に上げてきて、盗塁王本塁打王を獲得しそうな勢い。
 巨人は中日戦からの3連勝、今季初の3点差の逆転や亀井、阿部の復調など夏場に向けていい材料が揃いつつありますが、一番大きいのは中継ぎが再び安定感を取り戻したところと思います。7日の試合を見たところ、宮國はずっと安定していたのでいいとして、山口は145km/h以上出して制球も変化球も安定、マシソン、澤村は150km/h台後半をたたき出し、澤村に至っては150km/h近いスプリットで山田から三振を奪っていました。あまりにも全員球速を出すものだからはじめはドームのガンが甘いのかとも思いましたが、選球眼が抜群にいい上に目下絶好調の山田が届く範囲のスプリットを空振りしていたので相当球に威力があったとみていいでしょう。
 巨人打線についてはヤクルト2連戦で多少は持ち直したかもしれません。亀井4番は亀井が打撃や意識を変えないのが一番いいんですが、多少崩れても生贄的にしばらく固定するしかない。今の巨人で4番に座って本来の力ないしそれ以上の打力を発揮できる選手は心技体の状態を考えて一人もいないので、4番が誰か云々ではなく、どういう打順にすればもっとも得点が期待できるかを考えて組んだ方が良い。そういう意味では長野5番阿部6番は成功でした。そしてその打順のキモ、最近の巨人を引っ張っているのは中軸ではなく、このところ1番に固定されている立岡で間違いない。時にはセカンド、時には外野をこなしながら3割以上の高打率をキープしている。春先の橋本のように、2軍から上がってきて一時的とはいえ好調を維持するのはチームにとってとても大きい。年間の活躍は期待できないにせよ、一ヶ月だけ切り取れば一流選手と同じ成績なら、その期間は紛れもなく一流選手なわけです。橋本ほど太く短い活躍ではなく、立岡の場合上がりたての頃はパッとせずに徐々にアジャストしてヒットが出るようになってきた感があるので、ややもするとこのままシーズン一軍に帯同を続けるかもしれません。足が速く左打ちってだけなら外野にいっぱいいますが、セカンド、サード、外野ができる選手ってのは実は巨人では貴重。特に俊足左打ちの内野手がとても使い勝手がいい。村田も井端も坂本も寺内も片岡も右打ちなので。真っ黒に日焼けした男前な面構えと言い、自分の武器を理解してそれに徹するプレイスタイルといい好きな選手なのでなんとかシーズン一軍に帯同してほしい選手であります。