世界野球プレミア12の日程発表

 オリンピックやらWBCやらときて、お次は何ぞ?という方のために侍ジャパン公式サイトから概要を引っ張ってくる。
 

12U、15U、18U、21U、トップが出場するWBSC主催大会やWBSCの認定を受けた国際試合の結果を成績に応じてポイント化し、その上位12ヵ国に出場権が付与される、国全体の野球力(野球国力)No.1決定戦です。今回は記念すべき第1回大会となります。

 
 主催がWBSC(世界野球ソフトボール連盟)ということで、国対抗の野球大会としては最も権威あるものになっていけばなぁと思います。
 WBCとか、お金の配分やら組み合わせの不公平感やらで物議を醸し出していたのは記憶に新しいと思いますが、とりあえずは日程面を見たところ、そんなことはないようで一安心。

 国際順位にしても、↑の説明にもある通り、オリンピックやWBCなどのトップ・プロたちの結果のみではなく、あらゆる世代の結果を反映した順位をもとに「野球国力」を競う、というコンセプト。これがいい。プロたちのハイレベルで白熱した戦いを応援するのもいいけど、振興や活性化、普及も同じくらい大切だし、世界ランク上位につくには若い世代の育成も必要になわけで、まさに国力が試される。たとえば他のスポーツに若い世代が流れてしまい18U以下が国際試合でまったく勝てなくなってしまったら、プロの残存勢力だけで好成績を残しても国際順位はどんどん下がるし、やがて若い力が旺盛な国に抜かれていくことだろう、ということになるわけだ。
 
 参加メンバーなどはまだ本決まりではないようなので、とりあえずグループを見ていく。
 

グループA:チャイニーズ・タイペイ(4位) キューバ(3位) オランダ(5位) カナダ(7位) プエルトリコ(9位) イタリア(11位) 

グループB:日本(1位) アメリカ(2位) ドミニカ共和国(6位) 韓国(8位) ベネズエラ(10位) メキシコ(12位)
 
 ※()内の順位は2015年1月時点のWBSCランキング

 
 さすがに第3回WBCあたりまで見てきた人ならば、いわゆる安牌や楽なグループなどはないことがわかると思いますが、まずトッププロが集まる国際試合では、ランキングは参考にもならないと覚えておいてOKです。たとえば、最近の日本のプロ野球しか見ていない人からすればキューバWBCでも勝ちまくってるし助っ人も大したことないし…なんて思ってる人もいるようで、まあ驚きました。世界最強の野球大国(国技が野球)だったのも微妙に過去になりつつはありますが、それでもMLBへの人材輩出度を考えると実力的には日本以上と考えていいんですがね。問題は亡命でいってしまう選手が多いってことだ(!)。
 簡単に各国レビューしてみると、
 
・台湾 第3回WBCで日本がほぼ負けていたのは覚えている人も多いであろう隣国。侮れない。
キューバ かつての最強国。NPBでの活躍度は微妙でも世界大会での奴らは別人、リーグは大抵打高で投手力に難ありか。
・オランダ MLBだと最強ショート(守備)のシモンズあたりが有名か、日本だとバレンティンが代表格。WBCでもドミニカに勝ったりしているし団結力高し。
・カナダ 日本に来るカナダ人っていうとスコット・マシソンくらいしか思い浮かばないかもしれないが、ジョーイ・ボットーやジャスティン・モルノーなど、MLBでの一流選手そこそこ輩出している。
プエルトリコ 第3回WBCを見た人なら強さが身に染みているでしょう。
・イタリア WBCやオリンピック、ワールドカップなどでは目立った実績はないが欧州野球選手権では優勝や準優勝を何度も経験している強豪。第3回WBCでは一次ラウンドでアメリカには敗れたものの、メキシコとカナダを破って二次ラウンド進出という大躍進を遂げた。
アメリカ 説明不要、アメリカだけでないが問題はMLBがどの程度本気で選手を輩出する姿勢を見せるか
ドミニカ共和国 第3回WBCで圧倒的強さを誇り完全優勝を果たした野球大国。ロド川ニー児さんをぜひ今回もクローザーにしてくれませんかね…
・韓国 説明不要、パワプロの能力「対日本◎」をほぼ全員がオートで取得している強豪国
ベネズエラ 10位なのがおかしい、MLBにも超一流選手が何人もいる。現役最強打者ミゲル・カブレラや、シアトルの大エース、フェリックス・ヘルナンデス等。ただ毎回のことだがMLB選手だけで組むには層が薄かった気がする。
・メキシコ 一流MLBプレイヤーはガヤルドやAゴンあたりでそこまで層は厚くないがMLBで野球をしている選手自体は多く強豪
 
 というわけで、言えることは格下と呼べる国なんてない(強いて言えばイタリアか)ということ。
 日本のスケジュールは以下の通り。 
 
11/8 19:00 vs韓国
11/11 18:00 vsメキシコ
11/12 18:00 vsドミニカ共和国
11/14 18:00 vsアメリ
11/15 18:00 vsベネズエラ
 
 一週間で5試合、ここでのポイントは、他の国際試合のように球数制限がないこと。
 これは、投手陣に若い力が育ってきている日本には有利には働くのではないかと思う。
 どれくらい本腰を入れてくるかにもよりますが、他の国は投手陣の層が薄い、特に先発の枚数が足りない国が多いので。
 ただまあ、二連戦、休み、二連戦なら、ブルペンに力を入れて先発をさっさと見切ってどんどんつぎ込んでくるスクランブル体制もとりやすいか…?