作品レビュー 「赤松佳乃の複雑な恋の事情」

フクザツ度 ★★★★★
回想度   ★★★★★
駆け込み度 ★★★★★
 
 
 一言レビュー(※追記)
 「フクザツなのは恋の事情だけにしてほしかった」
 
 絵柄はポップで人気が出るのもわかるし、連載開始したころは楽しみにしていた作品だっただけに、回を追うごとに疑念に変わり、途中でお気に入りから外したのは残念だった。
 一言で言うと、自分が昔書いていた小説を読んでいるようで直視できなくなっちゃったわけっす。
 ネタ云々ではなく、専門用語があるのかないのかわからんけど自分は「車庫入れ小説」って読んでましたが、そういうアレだったからです。
 バックグラウンドの説明に夢中になるあまりストーリーが忘却の彼方になっちゃうことって、あるよね、うん。
 設定を考えて掘り下げるのが楽しくて楽しくて、お話を書いてるつもりがひたすら過去回・説明・回想シーンだらけになっちゃったりね。
 お話って本来前に進んでいかなきゃいかんのだけど、思い浮かんだものを片っ端からアウトプットしていくとそうなりがちです。
 そりゃね、キャラクターはみんな過去を持っていて、それがあってストーリーが進んでいくわけですから過去のエピソードは用意されていてしかるべきです。
 ただ本編そっちのけでそればっかりぶち込んでしまうとどうなるかというと。
 そういう意味では、編集者がいるならそいつの責任が大きい現象ともいえる。(comicoに編集者ってつくのかしら)
 
 割と連載開始間もないころからチェックしていたテンプレ的要素をたくさん積荷にしたスクールコメディ色の船だった…のだけど沈没宣言した模様。作者側と運営側の事情がわからないのでどういう経緯なのか測りかねますが、人気上位でありながらこういう潰れ方もすることもあるのかと、ひとつ認識を新たにしました。
 現在は打ち切り風完結に向けて残った伏線を超高出力属性解放斬りよろしくぶっぱなしている模様。まぁ、あのエピソード量をあのままのスピードで進めていたら500話くらいかかったろうから、堅実な判断だと思う。