第3回WBC直前レビュー

前回の更新が前回のWBCとは何の因果なのか……(゚д゚)
 
MLB組の辞退続出、罰ゲーム状態の監督問題やらでグダっていた第3回WBCですが、メンバーを絞り込んで練習試合を重ね、何とか本番直前になり形になってきました。
 
さて、本番前に何試合か練習試合を重ねてメディアでも流しまくっていた日本代表。
WBC使用球を使っていたということで、アジャストできた選手・できてない選手様々ですが、全選手について、一通り見て感じたことなどを書き留めておきます。
※昨シーズンの結果はあまり重視せず、壮行試合を判断材料とします。
 
 
【投手】
・涌井 秀章---△ 状態はいつも通りかやや悪。支配力を発揮するタイプではなく、投げミスもあるため、短期決戦では危険。消化試合のイニング稼ぎが適任と思われる。
・能見 篤史---◎ ランナーは出したがどの球種も制球できており、決め球も健在。持ち前の奪三振力をいかんなく発揮。問題はどのような役割を担わせるか。
・沢村 拓一---× スライダーで芝を狩る機械。モップアップがんばってください。
・今村 猛-----△ 時期が時期だからか、シーズン中と比べ球速が5〜10km/h出てない。直球の威力が変化球にそのまま反映するタイプだけに、コンディションが上がってこない場合、強豪国に通用するか?
・田中 将大---△ 右投手は軒並みスライダーの制球に苦しんでいる。田中の場合荒れていたし、球速も出ていなかった。どこかで調整登板させて本調子に近づいて欲しいが…
・杉内 俊哉---○ 多少荒れていたのと、球のキレがシーズンほどではなかった。が、十分実用範囲のコンディションと思われる。
・前田 健太---△ 田中と同じ。前田の場合、田中よりも球速が一枚落ち、スライダー依存度が高いので、制球がつかないとより危険。やはりどこかで調整登板させてほしいが…
・森福 允彦---○ 左右いっぱいを使ったいやらしいピッチングは健在。ワンポイントリリーフが最適か。
・内海 哲也---◎ この時期、本格派の投手はシーズン中より球速が出てないが、内海に関してはシーズン中同様、ツーシームが140km/h前後を計測。傍目にも昨年と同じ水準のピッチングを披露していた。左腕の先発有力候補。
・大隣 憲司---○ 最後の巨人戦で先発。評価に困る。3回までは制球がバラバラだったが、4回に限ればフォームにゆとりが戻り、好きなところにビシバシ決めていた。最初から4回のピッチングができるようなら先発も全然あり。
・牧田 和久---○ クローザー候補。オーストラリアの選手どころか日本の選手も、左打者を並べても初見では打ちあぐねていた。日本の切り札。
・山口 鉄也---○ まだ少し球にアジャストできてないのか、普段しないような制球ミスがある。球速もシーズン中より遅く、ゴリ押しは危険。シーズン中は150km/h近く出るので多少投げミスしても痛打されてなかったが…
・摂津 正-----◎ あのフォームは統一球・WBC球関係なく制球しやすいのかもしれない。右打者、左打者のインコースの出し入れ、シンカーのキレ、カーブの制球、どれもばっちり。中継ぎの経験から、やはりセットアップで起用するのだろうか? 他の右投手が不安定なだけに先発も視野に入ってくる…かもしれない。
 
【捕手】
・相川 亮二---○ 壮行試合のオーストラリア戦ではやくせんでも野次られる逆転3ランをかっとばした意外性の男。ただ、3割を打ったこともあり、流し打ちの技術などは普通に高い。阿部のコンディションが不安視されている現在、マスクをかぶることが増えるかもしれない。
・阿部 慎之助--△ 言わずと知れたサムライの4番、捕手、キャプテン。役割の大きさからくる重圧もだけど、昨年の日シリでは出場すらできなかった足の具合はどうなのよ? 右ひざ外側の違和感で巨人戦は欠場とのことだが…本番では試合に出すなら出すで、4番・捕手のどちらかは避けて欲しい。
・炭谷 銀仁朗---○ 一応去年のキューバとの練習試合でスタンドに放り込んでおり、こっちも意外性の男か?
 
内野手
・鳥谷 敬-----△ シーズン中なら不調でも四球を選び出塁して帳尻を合わせられるが、短期決戦ではそうも言ってられない。とにかくタイミングが全然合ってないし、試合を重ねるにつれて内容が悪くなっていった。セカンドは層が厚いので、アラフォーズを使った方がいいかも。
・井端 弘和---○ 頼れるベテラン。今回は内野全般のユーティリティーをこなすもよう。足が速く守備も上手く右打ち、エンドランの達人。こんなに贅沢なユーティリティーはいない。スタメンでもいいとお(ry
・松田 宣浩---○ 足と長打を兼ね備えた中距離打者。機動力と小技を中心でいくとはいえ、松田のような中距離打者は貴重。
・坂本 勇人---○ 最後の巨人戦で4安打の固め打ちをして評価を上げた。二次ラウンドくらいまでは不動のショートでいくでしょう。波が大きい打者なだけに、本番でも続いてくれることを期待する。
・松井 稼頭央--○ 井端と同じユーティリティー枠。しかもこちらは両打ち。今回唯一のMLB経験者でもあり、試合での出番もさることながら、試合以外でもチームを支えてくれるだろう。眼光の鋭さは衰えるどころかますます強力になりつつ
・稲葉 篤紀---△ 打席ではタイミングが合っておらず、どの投手でも関係なく振り遅れやミスショットが目立つ。阿部の言葉ではないがきっかけが見当たらず、要調整と思われる。ベンチをあたためることが多くなるかもしれないが、最年長としてチームを盛り上げていってほしい。
・本多 雄一---△ 本番前では巨人戦のバント失敗→ポップフライの一打席のみで印象が悪い。機動力重視のチームとはいえ、このメンバーの中にあって長打ゼロではスタメンにしにくい。代走枠。
 
【外野手】
・糸井 嘉男---△ 練習試合最後の巨人戦ではなぜか4番に据えられて5タコ。前日までの調子が響いたのか打順の影響かはわからないが、とりあえず本番では4番に置けないことが確認できた。第一ラウンドではスタメンで使うのだろうが、まったく復調しなかった場合、どこで見切りをつけるかが重要。
・中田 翔-----△ 迷ったが巨人戦での自打球で△に。ヒザに直撃でしばらく立てず、あっさりと真ん中を振って三振。あれは後々に響いてくるレベルでは…。長打が欲しいのはわかるが、状態を見て起用してほしい。
・内川 聖一---◎ 3番は彼以外いない。いつの間にか風格さえ漂わせている。アゴから。アウトコースを流し、インコースもおっつけ、甘い球はセンター返しと、ランナーがいる場面では最も期待できる。発言の端々からやる気がみなぎっており、モチベーターとしても優秀。
・長野 久義---△ 普段バッターボックスの後方に立つ関係で、国際試合のストライクゾーンに対応するため立つ位置を調整する必要があり、他の選手よりもアジャストに苦労している。本番を見ていてくださいと強気発言もあり、外野の調子を考えたら期待するしかない。
・角中 勝也---◎ コンタクトが非常に優秀。凡退した打席でもことごとく自分のタイミングで強い打球を飛ばしている。彼の2番は面白い。仮に下位打線でも面白い存在。
 
 
【総評】
さすがに練習試合を5試合も行えばある程度各選手のコンディションがはっきりしてきて、調子のいい選手、悪い選手、まだ調整中の選手などが見えてくる。
もちろん本番は練習試合を見てきた上でスタメンや起用法を決めていくのだろうけど、大会中も調子の上下はあるわけで、柔軟に選手起用をしていってほしい。その点では第2回の原監督は良い采配をしていた。
決勝ラウンドまでは進出してくれると嬉しい。いい加減、中南米の国との対戦が見たいので。