読売ジャイアンツ、首位陥落

 阪神がグイグイ上がってきて6月を待たずして首位に躍り出たわけですが、分析してみましょう。
 巨人、阪神両チームとも、5月は打撃不振に陥ってます。阪神は順調に貯金を作っているものの、22試合中19試合が5得点以下という低調ぶり。巨人は22試合中5得点以下が17試合。要するにビッグイニングが作れなくなっている。打撃は水物とはいえ、これはチームとしては厳しい。
 29日現在、5月だけの成績を見て、阪神が貯金14勝8敗で貯金6、巨人は9勝13敗で借金4。一ヶ月で5ゲーム縮まった計算になります。では両チームの違いは何か、と考えようとするまでもなく中継ぎ投手であると結論が出てくるわけですが。バッティングの不調は度外視して中継ぎ投手のみを考えていきます。
 巨人の中継ぎ投手を見て、5月だけで林2敗、福田2敗、久保1敗、豊田1敗で合計6敗。先発に負けたがついたのは7試合ですが、うち2試合は好投の内海が打線の援護なく敗れた試合で、実質的には負け試合の半分は接戦になったところでリリーフが打ち込まれています。一方の阪神は、リリーフに負けたついてるのは28日に久保田がサヨナラされた一試合だけ。ほとんど負けは先発についているうえ、打線の援護なく破れた試合が多い。そのうえ、藤川と久保田がそれぞれ3勝しています。さらに能見が1勝しているうえに要所を抑える活躍を見せて4月の汚名返上ときた。つまり阪神はリリーフだけで7勝1敗、貯金6。今月の貯金を全部たたき出してます。かたや巨人は、久保が1勝、西村がリリーフで2勝(先発で1勝1敗)だけで、リリーフだけを総合すると3勝6敗で借金3。差し引いて、ゲーム差にして4.5。
 リリーフが6敗ってもべつに普通なんじゃね?と思われるかもしれませんが、リリーフに負けがつくという場面を想像してみてください。「チームが勝っているか、同点の場面」で登板しない限り負けはつきません。つまり勝つか負けるか大事な場面で出てきては打たれている。まったく役割を果たせてないといっても過言ではありません。西村の2勝も先発が早い回でぽしゃって転がり込んできたようなものなので、巨人のリリーフは接戦をものにする投球というのがまるでできてない。しかも全員なのがタチが悪い。
 上原と高橋尚が戻ってきたとしても、リリーフが復調しないとチームの状態は上がってこないと思われる。復調するには先発がガンガン完投してリリーフへの負担を減らすしかないのだけれど、足の怪我から戻ってきた上原やしばらくぶりの高橋尚にいきなり球数を放らせるのかは疑問。そう遠くないうちに打撃陣が復調するのを待つのを期待するにしても、そのころには阪神打線も上向きになっているだろう。
 まあつまり、藤川の存在がいかに大きいかということですよね。今月無失点どころがシーズン通して1点しか取られないんじゃないか、まだ。