バイト先のスーパーで、いつも仕事後に買い物をして帰るんですよ。お菓子とか妹への土産とか。
「３８６円になります」
小銭要れをまさぐる俺。
百円玉をまず四枚出して、それから細かいのを探す。こうした地道な作業が無駄な小銭を減らしていくのです。じゅうえーん、ごじゅうえーん、じゅうえーん、ごえーん、いちえーん、じゅうえーん……どうぞ。
「……」
レジのおねーさんに、無言で怪訝な顔をされる。
「なにか？」
わけがわからない俺。
「あの、百円多いですよ」
「………………はぃ(消え入るような声で)」
お釣り合わせをするつもりが、ちょうど持ってましたというオチ。
