3/5 土曜日

 目覚めると、6時半。はやっ。そして気持ち悪っ。
 体中がだるくて首の後ろが重くて節々が痛むこの症状は、俗に言う二日酔いってやつですか。隣にはりょーとの寝顔が。チンピラみたいなおっかない寝顔が。そして見渡すと、他には誰もいない。なんだこれは。
 状況に戸惑いつつも、誰もいないことだし、さしあたりりょーとの目の前で四股を踏んでいると、ふと目覚めたりょーとと目が合う。何してんねん。いや、うん、別に。
 なんでもないよー。別に股間を押し付けようとかしてないよー。
 記憶はないけどピンピンしているりょーとと、記憶はあるけど体調最悪の俺。妙なバランスの良さを発揮しつつ、他の部屋へ襲撃に。
 全員寝てました。
 なんでも朝方まで起きていたらしく。早々に落ちた俺とりょーとは日付変わる前に夢の世界にいたわけで、睡眠時間はタップリとっていたのでこの時間に起きれましたが、他のみんなは二日前からオフこんぺを書くためにほぼ徹夜していた人ばかり。そのうえ昨夜も夜更かししたとあらば、これは起こさない方が得策だろうか。でも朝食はバイキングだし、どうしよう。
 とりあえず風呂に行くと、どうやら早起きしたらしい司令と遭遇。うむ、さすが司令だ。と納得しながら備え付けの麦茶を五杯ほど飲み干す。水分足してアルコール抜かないと朝飯が喉に通らないよー。
 朝といえば、朝食。朝風呂。朝勃ち。朝ファック。全部満たさねば。
 そして朝食へ。バイキングです。
 まだ体調が回復していなかったので米は避け、牛乳と納豆で簡単にすませる。飲み物は他の何よりも牛乳ですよね。毎日牛乳飲まないとおっきくなれないのですよ。そして納豆は身体にいいのです。朝のお友達といったら牛乳と納豆。これっきゃない。ということで牛乳片手に納豆をナマで食う。おいしいので浴衣の裾に2パック入れて部屋に持ち帰る。冷蔵庫に入れて保管。けっきょくこの納豆たちが日の目を見ることはなかったわけですが。ウフフ。
 午前中はまったりと64モード。今回はずっと64やってた気がする。あと、司令の持ってきたカードゲームを10人で。シックスなんとかという、運が左右するゲーム。ナインじゃないことは確かだ。ぽーさん含めて三人でやったときはぽーさんがなぜか一人負け、そして10人でやったときは相沢と倉科さんが集中砲火でした。なにか強さの秘訣とかあるだろうか。
 昼すぎにじぎーすたーだすとことまーくんが到着して、一人でバスに乗って部屋まで到着。きっと移動中は、最後尾の四人分の座席でふんぞり返っていたに違いない。
 で、オフこんは? 書けるわけねーだろ。それでこそまーくん。
 合流後、全員でホテルを出て、近くを散策。といっても民家とホテルばかりで、ようやく見つけた天ぷらとソバの店。全部で20人も入らないような店に12人で押しかけ、テーブルを三つ占拠。朝の反動でおなかが空いていたため、天丼ととろろソバを注文するも、なかなかこず。他のテーブルなんてとっくに食べ終わってるのに、俺とまーくんにだけなかなかこず。待つ。お茶うめえ、お代わり。まだ待つ。まーくんが他のテーブルに交渉もとい強奪を仕掛け、モシャモシャしながら戻ってくる。俺はひたすら待つ。やがてまーくんのがくる。おいしそう。待つ。漬物をもらってコリコリ齧る。待つ。泣けてくる。やっとくる。一瞬で食べる。くそう、美味いじゃないか。腹が減ってるときは何食っても。
 その後、朝から夜までやっているといった趣旨の名前をしたコンビニで食料調達していると、安岐山さんと俺と風吹さんが置いていかれる。レジで会計を済ませて外に出ると、誰もいやしねえ。あれ、みんなは? 置いていかれたっぽいいですよ。まぢで。ファック。30メートルの悲劇。といってもホテルまで100メートルもなかったので、アイスかじりながらまったりと移動。そして部屋前まで行くと、みんなの姿が。「鍵は?」といわれる。先に着いた誰かが取っていったんじゃないのかよ! とほほと俺が一階のフロントまで取りに行き、一同はまた麻雀と64に別れる。夕食まで俺はオフこんの作品を読み漁ってました。夕食が19時からで、そのときまでに採点を済ませなければならないので。
 オフこんとは、オフラインこんぺのことで、今回の縛りは以下の通り。
 
 オリジナル 5キロバイト
 予め採点用紙を配布しておき、各自気に入った1〜3作品に投票し、全員の作品を読了し、投票を終えてから集計。夕食中、最下位から発表していく。
 罰ゲーム
 劇を行います。タイトルホルダーは参加作品の中から劇の台本を選び、キャストを選ぶことができ、その監督権が与えられる。キャストは誰を指名してもよく、指名された人に拒否権はない。
 
 というような企画です。なお、今回は一人につきひとつ賞品を持ち寄り、高順位の人からひとつずつ取っていく、というオイシイ特典もあります。
 そして夕食時。司会のかとりんがアルコールなしの逆境を跳ね返して盛り上げ、順位発表に移りました。
 
 発表の前に、簡単に参加者の物書きとしての説明をしておきませう。
 
竹仙人 俺。習得スキル:ノリギャグ。どべ候補。
なげ 過去最低の出来と言わしめた作品で、かのんこんぺでダントツ一位をゲットした猛者。一番書かないのに実力はトップレベル。
火鳥 SS界のエースを自称するいわば界隈の忍者的存在。高い筆力と企画力を併せ持つ。家族計画か〜にばる一位。
風吹 安定した筆致と落ち着いた作風を持つ方。油断しているとひょいと上位に食い込みそうな雰囲気を持っていて、侮れない。
初貴 かのんこんぺで十位にランクインし、ようやく表舞台に姿を現す。こちらは忍者というか、つちのこみたいな存在。作風が俺のツボ。
Piro-Suke こんぺ等のイベントにはあまり姿を現さないが、安定度と筆力は抜群に高い。一位候補。
Ryo-T ほぼ全てのこんぺを網羅しているお祭り好き。様々な文体、ジャンルを操るも、近ごろは何を書いても最終的にほのぼのに落ち着くという妙スキルをいかんなく発揮している。
相沢和也 こういった短編勝負は彼のフィールドと言って差し支えない。かのんこんぺ前夜祭で一位、その他こんぺの短編部門で上位に食い込む実力派。上位候補。
倉科 実力、経験、実績、作風。どれをとっても一位候補に相応しいベテラン。
ぽー 月姫こんぺ二位の上位候補。二次創作における彼のスタンス、作風は個人的に神レベル。実力と経験と知識と体力を兼ね備えた猛将。
安岐山亮 キャリアは最も浅いが、かのんこんぺで上位にランクインするなど、近ごろになって頭角を現し始めた。年に数百冊の本を読破している彼である。身にならないわけがなく、その内に秘めた可能性はまったくもって未知数。
じぎーすたーだすと 参加前日まで連日連夜に渡って朝から日付が変わるまで仕事しており、書けるわけねーだろ!
 
 なにこのメンバー。
 まったくもって順位が予想できません。
 して、結果の方はといいますと。 
 
 単独ビリ 0票 相沢和也
 
 八位 1票 竹仙人 火鳥 風吹
 
 六位 2票 安岐山亮 なげ
 
 四位 3票 Ryo-T Piro-Suke
 
 二位 4票 倉科 初貴
 
 一位 6票 ぽー
 
 ありえねー。
 何がありえないって、このメンバーで、しかもSSではなくて、オリジナル作品を募ってですよ? まして5kb以下でですよ? 0票が相沢一人という現象がありえない。まさに天に用意されたとしか思えない展開で、順位発表は進みます。ちなみに俺のを含めてあほな作品が三つほどありました。俺の作品は、コンセプトが「ちんこ一人称みさくらなこつ風ふたなり」の感動話を。なぜか、作者当てで、全員にばれました。
 あと、タイトル付け忘れていたんですが、みんなの採点用紙には「ちんこ」とだけ書かれていました。
 涙がそっと頬を伝っていきました。
 かねてから約束していた通り、サイトにうpしようと思います。
 他のアホが鳥さんとりょーとの二名です。
 鳥さんが、俺となげさんとりょーとと相沢を本名プレイしてくるという、罰ゲームまでを頭に入れたステキ話を書いてきやがりました。しかもみんな変態なの。
 りょーとが書いたやつが、アメコミ風チンポ話。彼の初期の作風を彷彿とさせる名言連発のステキ話でした。ここで書いてしまうのがもったいないくらい名言連発なので、彼がサイトか日記にうpしてくれるのを信じて待ちましょう。
 そして肝心なことその1が、賞品交換会です。真面目な、つまりゲットして嬉しい賞品を持ってきた方や、誰も欲しがらない賞品を持ってきた方などさまざまですが、俺が持ってきたものはあれです。
 ツナギ
 案の定、最後まで残りました。
 相沢の手には青いツナギ。
 しかもちょっとピチピチの。
 運命のように、必然のように、全員から着ろ着ろコール。
 サイズが小さいために一人では着れず、俺が手を貸して袖を通すさまは、もはや地球が誕生したときから決まっていたのかもしれません。
 
 はいおれ、トイレを求めて全力疾走している予備校生の役やります!

俺「ウホッ! いいツナギ」
相沢「や、やらなぃ…………か(もじもじしながら)」
 
 なんでものすごい恥ずかしそうなんだよ!
 ホホ染まりまくってるよ!
 あまりのハマリ度に、たっぷり十分ほど、一同総崩れで呼吸困難に陥りました。
 オイシイ、おいしすぎる。
 
 そして次の肝心なこと。劇上映。
 詐欺師かとりんから、作者予想を全員当てた人にも監督権を与えなければなるまい、というお達しがあり、りょーととなげさんも監督に。話によると全てが筋書き通りらしく、あらためて鳥脳の恐ろしさを体感しました。彼の掌はいったい何でできているんだ。当然のようにりょーと、俺、かとりんの作品が選出され、キャストも全員どれかに割り当てられ、それぞれ部屋で練習して後で発表し合う、というものすごい展開へと発展しました。
 まずは自分のトコ。
 
監督:ぽー(地の文朗読)
キャスト:
   ちんこ役 俺(ぽー監督の台詞に合わせて「動く」)
   女の子役 相沢(台詞は全部喘ぎ声@みさくら語)
 
 もうどうしようもねえ。
 うp(※18禁)しました。
 重ねて言います。
 ぽーさん、地の文。
 俺、ちんこ。
 相沢、女の子。
 …………。
 おれ、相沢の喘ぎ声を後頭部に受けながら電動コケシみたく動きました。
 がんばったよ。
 どうしようもなさ過ぎる。
 もう、アルコール入れずにやってられっか! ということで、相沢が飲むわ飲むわ。マリオテニスしながら飲むわ喘ぐわ。他の部屋の偵察行ってから戻ってきたときは何かと想いました。ぽーさんと相沢が、「そこ(打ったら)ダメっ、あぁんっ! ひゅごいぃぃぃ!!」「いやん、(球が)行っちゃうっ、イっちゃうっ!! イくぅぅぅぅぅっ!!」なんだこれは。
 相沢は三十分で焼酎のビンを一本空にして、ぶっ倒れました。
 他の部屋の熱の入り具合もものすごく、たとえばアメコミ部屋などは、司令と安岐山さんがスパークしてました。監督のなげさんが、俺にはこれが客観的に面白いのかどうなのかさっぱりわからねえ、とカタカタするしかないほどに。そういえば自分の部屋で練習していて、相沢がちんぽいいっ、ちんぽいいっ、と叫んでいる頃、別の部屋からインディアンの雄たけびのようなものがたびたび聞こえてきてたんですが、発信源は司令と安岐山さんでした。わかりやすく言うと、二人ともアキガクのジェット化してました。
 もう一つの部屋は、最も馬鹿騒ぎしていておかしくないはずなのに、逆にものすごく真剣という。全員立って台詞合わせしていたんですが、なんか台詞全部覚えるとか。リキ入りすぎだっ。
 結局練習時間の短い順にほとぼりが冷めていって発表会まではこぎつけませんでしたが、これほどまでに無駄なことに熱を注ぐ時間があったろうかというくらい馬鹿騒ぎしました。まさしく馬鹿でした。馬鹿どもでした。
 その後は、俺は部屋で寝てしまったので展開はわからず。相沢が別の部屋で安岐山さんにゲロトークかましてたらしいです。せっかくまーくんが寿司を奢ってくれたのに、体に力が入らず断念せざるをえなかった無念からか。
 まーくんが寿司食って戻ってきたら、二人で部屋で就寝。意識、消失。