【WBC】2次ラウンド1位決定戦 日本VSオランダ

先発メンバー、選手起用については調整メインで、多くの選手を起用。
二日前のお返しとばかりに一発で先制され、それならばと日本も前回の試合を彷彿とさせるビッグイニングで8−1とするものの、マシンガン継投の途中で森福と山口とわくわくさんが捕まって8−6と8回表で2点差に詰め寄られる。が、その裏、不振を極めていた本日3打点の長野が貴重な2点タイムリーを放ち、何とか日本が逃げ切った。
マシンガン継投すれば何人かは打たれるのは仕方ないので、それよりも苦しい終盤にダメ押しができたことを評価したい。
 
この試合の目的だった、
・長野の復調
・準決勝以降で使える投手・使えない投手の目星をつけること
・その他、選手の調子を見極めること
いずれもある程度達成された。
 
まずは今日の試合の各選手の寸評を。
 
 
【投手】
大隣 憲司---○→○ 出会い頭の一発で先制されるが、崩れることなくマイペースに3回を投げ切る。キューバ戦よりも制球が安定し、チェンジアップで三振を奪いまくっていた。決勝ラウンドでは高確率で仕事が与えられるだろう。おそらく第2先発という形か。
沢村 拓一---△→△ 投げてみた。抑えられた。という感じで、本当に読めない。球に威力はあり、捕手の構えたところに行く確率も前回よりは高かった。が、次回どうなるかは例によって神のみぞ知るといったところなので、どうすんだこのピッチャー。
田中 将大---○→○ ここで断言しておく。決勝に進出したら田中が先発です。直球は沢村並になってきて、スライダーは若干高めに抜けたていたがいいコースにも決まり、スプリットは一番いいところに落として2奪三振。これで田中と心中する準備は整った。ただし捕手は阿部でお願いします。
今村 猛-----△→○ キューバ戦では130km台で伸びもなかった直球が今日は別人のように伸びまくり、制球も低めに安定していた。昨シーズンの出来に近かった。藤川亡き今、個人的には日本で最も威力のある直球を投げるのはオリの平野かこの今村だと思っている。今日の出来であれば、決勝ラウンドで起用することも考えていいと思うのだが、いかんせんこれまでの出番が少なすぎた。ちょっと難しいか…?
森福 允彦---○→△ 前回までは褒めるコメントしか書かなかったが、制球力が持ち味でありそして全てである森福にとり、1試合だろうとそれが失われた時点で、出番は終わった。負けていい試合、失点していい試合はもうなく、もう使えない。
山口 鉄也---○→△ 森福に同じ。ただ、制球が多少甘くても球威あるシュートで何とか出来てしまうのが山口の強みではあるのだが、準決勝以降では怖くて使えない。後で書くが、左腕は杉内&ノウミサン&大隣&内海をブルペンで待機させると思われる。
涌井 秀章---△→△ 最後の三振は痺れたが、相変わらず制球力が低く、甘いコースも多い。オランダにも2試合連続で打たれている。よって決勝ラウンドは出番なし。
牧田 和久---○→○ 怪我の影響を感じさせないピッチング。制球も安定している。相川の単調リードと突然狭くなったストライクゾーンでピンチを背負ったが、最後は三振で締め。ここまできたら最終回は牧田に任せた。
 
続いて野手。
【野手】
長野 久義---△→○ 後で別枠で書くが、山本監督というか日本にとって長野の復調は絶対に必要だった。そしてある程度達成された。重要な選手なので打席別に書く。第一打席はストレートを見送った1ストライクからの2球目、ストレートと思って振りにいったらスライダーでこすった感じのファーストフライ。中途半端。第二打席、2−1と逆転し、なお1死満塁の場面で、カウント1−1からの3球目、インローのスライダーを引っ張ってレフト線に走者一掃のツーベース。思いきりのいい長野らしいバッティング。第三打席、初球の真ん中のストレート、打ち上げてファーストフライ。完全にミスショット。第四打席、直球、直球でカウント1−1から、アウトローに落ちるカーブを下半身で拾って左中間深くのフライ。配球の読みと捉え方が良かった。コースが厳しい分だけ野手の守備範囲に飛んでしまった。そして8−6と詰め寄られた第五打席、2−2からのアウトコースのカーブを上手く捉えてショートの頭の上を超える2点タイムリー。第四打席と似ていたが、球が高い分だけ打球が鋭くなった。総合すると、直球にはタイミングが取れず凡退してしまい、完全復調とまでは言えないが、変化球に関してはしっかり待って的確に捉えることができていた。状態としては後述するが中田よりも良く、決勝ラウンドではセンターに立つことになるだろう。
松井 稼頭央-△→△ やはり打撃に関しては状態が悪い。決勝ラウンドでは使えない。
本多 雄一---○→○ 途中出場。打席では上手い流し打ちをするが好捕される。決勝ラウンドでは代走となるだろうが、痺れる場面での起用になると思われるのでしっかり準備してほしい。
井端 弘和---◎→◎ ノーヒットだったが、選球眼はまったく失われてなく、第三打席も的確にとらえていた。2次ラウンドMVPに選ばれたその曲者ぶりを決勝ラウンドでも発揮してほしい。
鳥谷 敬-----○→○ 途中出場。ボール球を2球平然と見送ってからの真ん中フルスイングで見事なライト前。好調時の鳥だ。久しぶりのショート守備では若干勘が戻っていないようだった。決勝ラウンドでも選球眼に期待。
阿部 慎之助-○→○ お待たせしましたスーパーうなぎタイム! 1イニング2発4打点で、1本目はフルカウントからのインハイの直球。2本目は低めのボール気味のカーブを泳いで払うようなバッティング。桑田も認めるドームラン。もちろん、それが阿部の高度な技術の結晶のひとつだ。
内川 聖一---◎→○ 途中出場。変則左腕投手の変化球に三振、次の打席ではランナー一塁で流し打ちをしたがセカンド正面で併殺。逆方向に転がすバッティング。これでいい。
糸井 嘉男---○→○ 四球、四球、死球と歩きまくる。シビレを切らしてボール球を追いかけ始めると調子を崩すが、まだまだ集中力は途切れず変な球は振らない。このまま決勝ラウンドも頼むで!
中田 翔-----△→△ ヒットは1本出ているが、WBCが始まってからずっと、打撃の調子は良くない。本人も後ろ向きなコメントをしており、今日は足上げフォームを試すなど、しっくりきていないようだ。詰まった当たりや差し込まれたファールが多すぎる。サード松田、ショート坂本、セカンド鳥谷、ファースト稲葉、レフト内川、センター長野、ライト糸井、DH井端で、中田はスタメン落ちも考えていい。むしろ、そうするために長野の復調を待ち続けたのだから。
角中 勝也---△→△ 思ったより足は速いが、バント下手! やはり左の代打として待機がいいと思うよ。
炭谷 銀仁朗-○→△ バッティングはお察し。リードは良かった。決勝ラウンドではそれこそリードのことだけ考えてほしい。
稲葉 篤紀---○→○ 代打で直球をうまく捉えるもセンターの守備範囲。すっかり好調、このままいってほしい。
相川 亮二---○→△ リードがダメ。特に直球の使い方がワンパターンでずっと打たれまくっている。できれば決勝ラウンドでは起用してほしくない。
松田 宣浩---○→○ すっかり9番が板についている。今日は桑田に「ホームランの後に振りまわしていた」と苦言を呈されるも、追い込まれてからの軽打が光った。脚力が高いのもいい。この調子で頼む。
 
 
 試合の寸評はここまでで、決勝ラウンドの戦い方については別の記事にて。