タイトル色々

 NPB
 パシフィック・リーグのMVPは北海道日本ハムファイターズダルビッシュ有投手。野手に候補が見当たらないことを抜きにしても文句なし。新人王は東北楽天イーグルス田中将大投手。初年から一年間ローテーションを守り通し、二桁勝利を挙げる活躍ぶり。西武ライオンズの岸と争うかと思われたけど、一度も戦列を離脱しなかった健康度は12球団中最弱の投手陣の中で一際目立っていた。ポンコツが並ぶ先発陣にあってチームへの貢献度は計り知れない。こちらも文句なし。
 セントラル・リーグのMVPは読売ジャイアンツ小笠原道大内野手が受賞。残した成績は立派だけれどMVPとしてはギリギリのラインだろうか。阿部が3割打ってれば確実だったろうな。昨年と比べ出塁率を大きく落としはしたものの、リーグを跨いだ移籍をものともせず、3割30本をクリア。例年通り優勝したチームから選出する向きがなければラミレスで確実だった。しかし巨人内で考えるにも、高橋由伸が出塁でも長打でも守備でも大きくチームを助けていた。打点は1番打者ながら小笠原に並び、本塁打では小笠原を凌ぎ、得点圏打率も決して低いわけではない小笠原を八分以上引き離し、四死球を荒稼ぎしてシーズン通じて初めて出塁率が4割を超えるという「らしくない」打棒を発揮した。が、MVPは小笠原。何が決め手だったのだろう。出場試合数は小笠原で、一度も離脱せずにシーズン通じて3番の座を守り続けた。高橋とは9の差がある。打席数にして27。やはり健康度か?
 物申したいのはセントラル・リーグの新人王。該当者なしで決まりと思っていたが阪神タイガース上園啓史投手が受賞。これはよくわからない。勝利数が二桁に届かず、投球回が100にも満たない先発投手がタイトルを受賞するのは明らかにおかしいと思うのは俺だけだろうか。歴代新人王を振り返ってみると、なるほど無理やり選出したような成績がちらほら見かけられる。ただそれは野手に限った話で、先発投手に注目すれば、勝ち星が一桁で新人王を受賞しているのは1994年の藪恵市まで遡る。書いてある数字だけを見れば9勝9敗、3.18と、上園と遜色ないかむしろ悪く映るが、当時の弱小阪神にあってシーズン通してローテーションを守り抜き、三点台前半の防御率を維持した藪は文句なく新人王だった。その年、藪は実に181 1/3回を投げている。(今年のセントラル・リーグ6位に相当) 上園は85 2/3回。半分にも満たないどころか、近年の阪神なら中継ぎにすら劣る。さらに前年、1993年の新人王はヤクルトスワローズ伊藤智仁。7勝2敗と数字の上ではさらに見劣りするが、109.0イニングを投げて防御率は脅威の0.91、前半戦だけで完封4回と、圧倒的な投球で試合を支配するその姿はたとえ半シーズンでも相手チームを震え上がらせ、ファンを虜にした。それらの背景を鑑みるに、今シーズンの新人王はどうも腑に落ちないというか、あーあ、というがっかり感が拭えない。先発が100回投げなくても、二桁勝たなくても、フルシーズン働かなくても新人王もらえちゃう時代の到来ですよ。ハッ(鼻笑)
 野手では規定打席到達の飯原がいたけど、新人王を取った久慈や立浪みたいに、打撃が駄目でも守備で貢献したならまだしも、守備が一番駄目だし、ただ試合にたくさん出たというだけで、さすがに岩村と同じ活躍は誰も期待しないが、戦力として機能していたかは甚だ疑問。身体能力は極めて高いだけに、どれかひとつでも特化してくれれば良かったのだけど、いずれも半端な成績に終わってしまった。.250以上、10本〜15本、30盗塁くらい残し、あともうちょい守備が安定していたら面白かった。もったいない。ただ、それだけに来期以降、万能選手に育つ可能性も秘めていて、楽しみな存在です。
 
2007/11/20-19:07 プロ野球表彰選手(時事ドットコム)
 
 ベストナインは順当。しかしセカンドレギュラーいないな。ゴールデングラブもだけど、消去法での受賞なんて見たくもないよ。だからMLBが好きなんだよ。選手の絶対数が違うから、誰が受賞するかで議論は起きても、選定の段階で候補がいないなんてことはまずない。
 新人王は消去法にすらならないほど対抗馬が不在、金刃がもう1つ勝つか、規定投球回をクリアしていればもうちょっと面白くなったのだが、いずれにせよ、新人王に相応しい成績かどうかは疑問符がつく。入れるとしたら自分も一番下の38名(該当者なし)に続くだろう。なお、上園投手の投球自体にケチをつけているわけではないのであしからず。彼はボロボロの阪神先発スタッフを救い、プレーオフに望みを繋いだ立役者の一人(というか、筆頭)でした。あと5試合投げていれば、記者たちもぐうの音も出なかったと思われます。
 しかしMVP投票2位が上原か……確かに活躍したけれど……高橋由伸は3位……うーむ……