開幕

 横浜巨人三連戦は全試合ある程度眺めていたけど、一番グッと来たのは第二戦の古木の先制本塁打ではなく、もちろん第三戦の先発工藤がマウンドに立つ姿でもなく、開幕戦での鈴木尚典の安打だった。泣きそうになった。97〜99年の全盛期にテレビにかじりついていた身としては、ここ数年の彼の背中には本当に寂しい思いを抱いていた。一年ずっと出場してくれればいいのだけど。
 国内の方は置いといて、今年は、というか今年もメジャーリーグが気になって仕方がない俺です。特にアメリカン・リーグ東地区の順位予想は白熱しますね。MAJOR.JPで投票を集めていたのでニューヨーク・ヤンキースに清き一票を入れてきて、結果を見たらボストン・レッドソックスが一位だったので驚いた。俺が投票したのがいつごろで結果がどうなったのかはわからないけど、かなりの大差だった気がする。
 そしてさっき、アメリカン・リーグ西地区の一位を予想していて、オークランドアスレティックスと散々迷った挙句に、バリー・ジトの移籍を考慮して、ロサンジェルス・エンジェルズ・オヴ・アナハイムに清き一票を入れてきた。結果を見たらシアトル・マリナーズが断トツの一位で、ああ、ここは予想ではなく「希望」を入れる欄なのか、とようやく認識をあらためた。シアトルのどこに優勝する要素があるのか……。補強下手(常に後手後手、右の中・長距離打者に極めて不利な球場なのにそんなんばかり集める、など)、ティームぐるみで選球眼皆無、ティーム内の確執、同地区にやたら弱いという弱点すぎる弱点、この数々の逆境を跳ね返せるだけのポテンシャルは見当たらないし(よく調べたわけでもないけれど)、楽観視できるものでもない。とはいっても、あのティームは他と比べて運に左右される要因がやたら多いので、選手全員がベストに近い働きをして、かつ故障者を出さず、かつ他のティームに故障者が出れば、優勝できなくもないと思う。まあ、まったく知らない人が適当に選んだとしてもそれは予想になるわけだから、信頼性を求めるのがそもそも変だったという気もする。
 東地区に話を戻しまして、ボストンもヤンキースもこの上なく打線が強力なティームだけれど、打線だけを比べてもまだヤンキースに分があるのではないかと思う。松井秀喜が六番にいて、昨年3割4分の打者が八番にいるような打線だ。先発野手(と勝手に予想したメンバー)全員の出塁率が.350を超えているというとんでもない出塁率、選球眼を誇る(ちなみに、昨年シアトル・マリナーズ出塁率が.350を超えていたのは、イチローを含め二名)。長打力もトップクラスだし足も使える。ボストンとヤンキースは、昨年のアメリカン・リーグティー出塁率が2位と1位なのだが、打率、長打率、総得点、盗塁数、OPSヤンキースの圧勝でもある。が、総得点ではなく勝ち負けを競う競技なので、当代随一のクラッチヒッターを擁するボストンが勝ち星を伸ばすのも予想できることで、細かい要素を見ていったらキリがないので総合力ではヤンキースやや有利、としておいて。投手陣には差がある。先発は互いに揃っているが、ヤンキースがリリーフからクローザーに至るまで磐石なのと比べ、ボストンはブルペンが弱い。パペルボンがクローザーに戻りそちらは安心できるが、ヤンキースの王とぺティットの出遅れを加味した上でも、やはりブルペンに不安を抱えているボストンが不利か。ブルペンの不安は先発投手の投球スタイルにまで影響する。リリーフさえ機能すれば、やはり五分に持っていけるだけの力はあると思うのだけど、昨年までシアトルにいたジョエル・ピネイロや岡島の移籍組が、果たしてそのまま通用、成功するのか? というと、やはり首を傾げざるを得ない。
 等々、細かく考えていくと、不安要素はボストンがやや多いってことでヤンキースという予想になるんですが、ダークホースことトロント・ブルージェイズの存在が不気味だ。昨年あたりからかなり補強に力を入れていて、今期もフランク・トーマスや大家などの、(計算できるかどうか怪しい)実力派のカードを数枚加えてシーズンに望んでます。ひょっとすると混戦になるんじゃないかなあ。
 あと、なんだかんだで東地区を何年も見ていて、故障者が出る(つーか、出ないわけがない)前提として、主力に故障者が出ても変わらず強いのがヤンキース。故障者が出ると急降下してゆくのがボストン。この差は小さいようで大きい。たぶん。