サナララ(ネタバレ含)

 ねこねこソフトサナララをプレイしました。
 オフィシャルから引用すると、

どこにでもある、町を舞台に

ふとしたきっかけで始まる、不思議なお話し。

一緒に暮らしたり、夜の校舎に忍び込んだり…。

普段と『すこし』だけ違う、

そんな世界の物語りです。

 
 らしいです。
 ヒロイン4人みたいで4人クリアしました。以下感想。
 
 
 一人目の椎名 希未。いきなりですけど、頭のネジが緩いヒロインって苦手です。Keyのヒロインの多くや、あとみずいろのヒロイン、ダ・カーポの名前忘れたけど先輩?とか。苦手なんてオブラートに包んでみましたが要するにワンクリックごとに画面に血管マーク浮きまくった鉄拳をブチ込みたくなるアレなわけですが、いきなり一人目からスマッシュヒットだ! トロくさいわ内気だわハッキリしないわうだうだうだ。まるで自分を見てるみたいだ。いやなんでもない。口調が間延びしていないだけマシですが小声なのもけっこうクる。しかし事前情報でシナリオがそんなに長くないことがわかっていたので続けてプレイ。世界観は面白いと思うですよ。いや、広告通りまさに普段とすこしだけ違うくらいなんですけど。一生に一度の願いかー。度を過ぎた願いは成就されないしかなえた人間は記憶を失うシステム。まさにあつらえた感漂う設定ですけどそこは飲み下さなきゃ始まらない。で一人目のヒロイン。すでに願いをかなえてもらった彼女は今度は自分が誰かの願いをかなえるナビゲーター役となって主人公の前に現れた! うん、わかったもういい帰っていいよ。とか言ってみたい。っておかしいな、全員クリアしてからこれ書いてるんですけど、すでにどんなシナリオか覚えてないよ。お願いのお試し期間発動によって金魚のフン状態になって、それから同居生活が始まって、そして…………なんだっけ。いつの間にかくっついた? で終わり。あれ? 確か、願いをかなえるとヒロインは主人公のことを忘れてしまって、主人公はそれを踏まえた上でヒロインに関する願い事を発動させた、そしてエピローグでお互いを忘れた二人がはじめて会って始まりの予感!みたいな。わあろまんちく。うーん何言ってんだかわかんなくなってきた。記憶そのものを扱った運命的なものを感じなくもない、こざっぱりしたいいシナリオではないでしょーか。ヒロインがうざったいとしんどいかもしれませんが。とりあえずヒロインの魅力はですね。魅力……魅力? ……ないな。欠点を美点として見るならばノートで顔面を隠す癖があるんで、鉄仮面をプレゼントするとか。出会い頭でいきなり肛門広げて見せたらどうなるだろう。そしてストーリーは始まらない。
 
 二人目の高槻 あゆみ。わーいツンデレきたよ! 幼馴染だよ! って、このゲーム、シナリオごとに主人公も違うんですね。ライターも全部違うのか。これはいい。つーかもうアンソロじゃねえか。いや、俺は好きですよこういうの。男の名前はまったく覚えてませんけども。そもそもなんで主人公っていつも同じなんだろう。シナリオごとに主人公違ったっていいじゃん、ねえ。でもライター四人でやってるからこそできたというか、一人で書くなら同じ方が楽だしなー。そのために四人で書いたのか、もともと四人いたからこういう構成にしたのかはわかりませんが、まあいい、いいんだそんなことは。大事なのはこのヒロインがお試し期間でキウイまみれになってしまったことだ。進めてるうちに俺もキウイ食いたくなってしまった責任はどう取ってくれるっていうんだ。シナリオの中身はアレです、読み切りの少女漫画みたいな。距離の近すぎる二人がちょっとした事で急接近!どっちかが自分の気持ちに気づいて一度喧嘩してくっついてアチチ〜。うはー、死ねよこいつら。シナリオの全体像は覚えてるんですけどラストが思い出せない。なんかろくでもない終わり方だった気がする。これで終わり? そんなばかな、みたいな。バカップルになった二人が屋上で弁当食ってるシーンか。なんていうか、なんだその、このシナリオは。見所がまったくないぞ。本当に少女漫画じゃないか。普通とちょっと違う設定を用意したって、中身で普通の話をやっちゃったら駄目じゃないかなあと思うんだけど、どうなんだこれは。他の3つのシナリオと違うのは、願い事の設定がなくたって余裕で成り立ってしまうところ。別に時間がループしなくても、願い事なんかなくても、遅かれ早かれこうなるんじゃねえの、と思えてしまう。この設定でそういうシナリオはいかんですよ。ツンデレ幼馴染スキーはこれで満足しとけやって暗に言われてる。ビンビン言われてる……!
  
 三人目は三重野 涼。なにこの茶番。なんだこのあばずれは? 本場のウザ電波とはこういうのを言うのか……! 俺なんて足元にも及びません、参りました。やることなすことマジファック。
 シナリオは劣化Keyでした。幽体離脱、屋上ファック、金網越しの別れなど。とにかくヒロインがマジウンコモンなんで山場の屋上シーンでは「そのまま落ちて死ぬといいよ」とか普通に考えてる。日本語通じないっていうか人の話聞かないメルヘン脳。フ、フフ、ひさしぶりですよ私をここまで怒らせたのは……! とか口走ってないとやってらんない。しかし死亡エンドだったのでスカッとしました。いやーもうステキ。あれですね、1人クリアするたびに次のヒロインのルートが出現するんですが、こういうのをスルーできないのがつらい。
 
 四人目は矢神 由梨子。最後だけあっておもろかったです。一番設定を活かせていたシナリオじゃないですか。どのシナリオも主人公とヒロインの二人のみをクローズアップしていたけれどその極限の形だ。開始直後に人類みんな消えとるガーナ。そうだよ、こういうドキワク感がいいのだよ。主人公のハンパな斜めっぷりがたまらんね。二人だけの世界で病人相手なんだから襲っちゃおうぜ。ほんとハンパだ。中途半端にモラル残しやがって。サナララってここでようやく出てきた。そういう意味だったのかー。
 
 全体。どのシナリオもヒロインと主人公しか登場しなくて、横のつながりはまったくなかった。ほんとにはじめの一部だけ。ライター四人で書いてるから、共通ルートとか作るとすり合わせが大変なんだろうな。ヒロインは、どうだろう。これは魅力的って言えるのだろうか。全体的に個性が薄いよ。薄すぎるよ。敢えて薄くしてるのかと邪推してしまうくらい。薄いっつうか没個性の域だ。クリアした次の日には名前もシナリオも半分くらい忘れてる。そこまで計算して作ってるのだろうけれど。