ヘヴンリー・ブルー 「天使の卵」アナザーストーリー

ヘヴンリー・ブルー 「天使の卵」アナザーストーリー

 
 俺が唯一追っていると言っても過言ではない村山由佳の新作?です。いや新作なのこれ? もともと兄貴がファンで、俺はそれを読んではまっていったクチで、今回も兄貴が買ってきたのを拝借したわけなんですけど。
 1994年に『天使の卵』、2004年に『天使の梯子』が出て、今回がそのアナザーストーリーらしい『へヴンリーブルー』です。カバー裏に¥1200Eって書いてあるの見てまずびびりました。このスカスカの中身でこの値段。うわぁー。おいおい。今すぐ読まなきゃ死ぬっていうくらいの熱狂的な村山由佳ファンにしか勧められないよ。1ページに13行しか入ってない上によくわかんない挿絵が10枚くらい入ってて本文が153ページ。文庫にしたらページ数半分以下になるんじゃないかこれ。
 肝心の中身なんですが、本当に兄貴が買ってくるまで発売してたことすら知らなかったんで、どういった経緯で書かれたのかとか、そういった予備情報は一切なしで読みました。で、これ、アナザーストーリーと銘打ってることからもわかるんですが、まあ、作者本人によるSSだこれは。前作2本を読んだ人からすれば、別視点から語られているというだけでなにも新しいことがない。かといって読んでない人からすればワケがわからないのだけれど。本当に『天使の卵』と『天使の梯子』の断片的なシーンを夏姫が回想しているというただそれだけのお話なので、夏姫視点で見れればそれで満足だ、という人ならばある程度は満足できるんじゃないでしょうか。個人的な印象から言わせてもらうと、この内容ならわざわざ出さないでいいよと思うし、『天子の梯子』をアソコでぶった切って上下巻にでもしてくれた方がまだ納得できた。いや、金銭的な話なんですけども。やだなあ。本文1ページ目を見て「うっわ、スカスカだ。これで1200円? 馬鹿? ……中身もスカスカじゃないよね?」がことごとくズバリ的中しちゃったので困った。まあ俺が払ったわけじゃないんでいいんですが← 
 社会人ならともかく、余裕のない学生だったら無理して買うことはないかもしれません。