暴風雨

　傘が壊れた。
　証拠写真つき。
　骨が折れたんではなく、幹が折れた。ポキャッといってもうた。
　バイトの休憩中、家まで歩いて帰ろうとしたら、風の強いのなんのって。普通は風で押されて傘が反対側を向いて、瞬間的に骨が逆方向に花開く感じだと思うんだけれど、俺は違う。これしきの風で傘たんをやられてたまるかと、片手で取っ手をしっかりと持ち、抵抗を続けたのだ。曲面で風を受け流しているはずなのに、それでも風圧で傘が閉じてしまいそうな。なんなんだこの風は。
　そしたら、ぽきゃっていった。ぽきゃって。
　取っ手のそばの金属部がものの見事に折れやがった。
　そして図のように。
　休憩が終わって、仕事して、次に歩いて帰るときは、傘ささないで帰りました。
　俺は折れませんでした。