アルバイト

 接客訓練なるものに行ってきました。時期はずらすけれど全店舗実施で、従業員、パート、アルバイト問わず参加らしいんですが、ドライ部門から行ったバイトは俺一人でした。……なぜだ。あとレジの女の子が一人。他は従業員。
 というか、ドライ部門の状態は悲惨すぎると思うわけですよ。俺を除く全員が高校生で、全員十代なのに、全員タバコ吸うし(唯一合法的に吸える俺だけが吸わない)、常に誰かは謹慎くらっててこねぇし、最近なんか、一人がバイトで腰痛めて毎日接骨院に通い詰め、一人が太ももの肉離れで、治ったと思ったらなんかやって謹慎、一人が卒業危なく毎日補習で、一人が性質の悪い風邪にやられて顔色悪い。まともに動けるのが自分一人って、かなりうんこなことです。最低でも三人動けないと時間に押される仕事量なのに。
 なんて愚痴りつつ、人手が足りないと逆に仕事に困らないので、それほど嫌なわけではなかったりするんですが。三人以上居ると遊んじゃったりするし。いったん仕事に集中すると声をかけられても気付かないくらい熱中してしまうので、我に返ると3時間経過していた、なんて経験もしばしば。へたに人手に余裕があると、こう、時間過ぎるのが遅いのなんのって。
 ……接客訓練の話をしていたんでした。
 他の店舗からはレジらしき女の子四人組が来ていて、バイトは合計6人、全部で18人集まり、市民会館の広い和室を借りて、発声練習だのロールプレイングだの。お偉いさんが目をギロつかせて見ている中で。
 人前でなんかやらされるのは嫌いじゃないので、発声練習もロールプレイングも注意を受けることなくこすことができましたが、何回もリテイク喰らってた女の子たちが可哀想でした。以前なら、「つーかさっさと腹から声出せよ、君ら!」って苛ついてたトコなんですが、今は精神的に成長したのか、「怒られて俯いてる女の子もへーもへへー」と、その姿を精神力回復に使えたのでした。いや、それにしても部長さん容赦ねーなー。女の子が発声した瞬間に「はいもっと声出るよねー」と笑顔でリテイク出すその姿は、イジワルな中学校の音楽教師を彷彿とさせます。音楽教師だったらファックですが、会社重役としちゃいい姿勢だと思います。だって、何も、アドリブかませとか鼻の穴を広げながら発音しろって注文じゃなく、単に音量を上げろって言ってるんだから。簡単なことだ。
 そして今日もこれからバイト。つーか今月は休みが6回でありますよ。うへうへ。