脱色

 はい、おれ、いま、脱色中! いや、髪をね。髪ですから。腋毛とかじゃないですから。
 ムズムズムズする。
 ……一番キツそうなやつを一時間やり続けてもあまり脱色できなかった前回の教訓を生かさねば。そういえば、バイトの後輩にコツを教えてもらった記憶があるんですが、思い出せない。くそう。次に生かそう。世間ではこれを猿以下という。
 ん、前回脱色したのも、そういえば京都へ行く前日だったような。なんだろうね、髪の脱色と京都に何か因果関係が? ……考える。ほら、あれだ、京都って、暑いじゃないですか。気温が三十後半いってるじゃないですか。だから熱を吸収しやすい黒じゃまずいわけですよ。俺、暑さに弱いし。
 ささ、髪の毛が色落ちしたら、今度は京都ですぞ。
 遊ぶですぞ。