マブラヴ オルタネイティヴ

 やってみた。
 俺的今年の№1はかたいな。
 ネタバレ全開エンジン全開。
 
 
 あらかじめ断っておくと、これは戦術機どうこうの話ではない。えーだってこれロボだろ? メカものってあんま好きくないんだよねー、とかそんな領域じゃない。漢がいた。俺の大好きな漢がいっぱいいた。漢であふれかえっていた。これで好きにならないわけがあるか? いやないだろう。それでもう満足だった。性別的な意味じゃないよ。全員漢だった。要素単位で好みを挙げるとすれば、やっぱタケルちゃんですよ。ここ数年でついた属性なんだけれど、基本的にヘタレで優柔不断な男って好きなんですよ俺。やっぱあれだ、ものすげーシンクロしやすいんだもの。自慢じゃないがヘタレさと優柔不断さなら自信がある。フフン、俺ならあと十五分は迷い続けるぜ、そして人類滅亡だぜヒャッハー、とか見当違いに誇らしくなったりね。ホント自慢にもなんにもなんねえな。途中まではアンリミの延長みたいな感じでのんべんだらりと読んでたんだよ。やっぱタケルちゃんへたれてるなー、なんてニヨニヨしつつさ。ターニングポイントはひとつしかない、いやふたつか。一個目は沙霧大尉とウォーケン少佐の対決。なんでひとつの章にしか出てこない、本来ならちょいキャラであるところの彼らでさえこんなに漢なんでしょうか? 月詠中尉もかっこよすぎるしさあ。漢ランキングトップ3に食い込んでる。このシーンは血が煮えたぎる燃えポイントだった。でももうひとつが……まりもちゃん……いや神宮司軍曹! あれはびびった。いや、びびったとかじゃない。文字通り目を疑った。脳も疑った。画面を疑った。終いには夢かと思った。まず俺が夢を見ているんじゃないかと疑って、その疑念が晴れると終いにゃタケルちゃんの妄想なんじゃねえのと疑った。だって、おい、なんでここで神宮司軍曹が? 意味わかんねーよ。GYAAAAAあAAAAA!!! ここで一気に話に飲み込まれた。一刻も早く逃げ出さねばと思った。そしたらタケルちゃんはちゃんと逃げてくれた。GJ! でも、規制かけるほどのグロかなぁ、あれ。18歳未満ならまだしも。むしろあのシーンから目を背けちゃいかんだろ。神宮司軍曹に申し訳が立たんだろ! つーわけでガン見して目に焼き付けた。ここでりょーとにまだ序の口だって言われたけどマジでした。そうなんだよ、逃げたら逃げたでこっち世界の展開がまた。純夏との掛け合いなんて画面がぼやけてよく見えなかったさ。このへんかなり好きなんだけどどうだろう。いや、この救いのなさときたらなんだ。徹底的だなー。再び舞い戻ってからはもう正直のめりこみすぎてよく覚えてないよ。ここから先は月詠中尉と会話するたびに涙ぐんでいた記憶が。A-01部隊のみんなの散り際もそれぞれクるもんがあったけど、印象に残ってるのはむしろそれ以外の方々。月詠中尉を筆頭に、沙霧大尉、ウォーケン少佐、そして帝国連合艦隊の諸氏。「九段で会おう」で正直決壊した。ごめん、知識がなかったら普通にスルーしてたよここ。あと決定的なのが純夏。純夏が……。どーも自分、彼女に弱いみたい。なんだろう。エクストラ編からそうだったけど、他のエロゲのヒロインとは違う領域にいる。情熱? タケルとの絆の強さ? よくわかんないけど、感情を揺さぶられる頻度が圧倒的に多い。全部で軽く二桁は涙ぐんだよ。他のメインキャラもだけど、キャラの描き方がうまいよねアージュって。それだけに終盤の失速というか性急さが残念だった。いきなりオリジナルハイヴの深部に到達しているのは、ありっちゃありだった。全工程を描かれてたら逆にダレてたかもしれないし。トドメに期間後の純夏。ほんとトドメだった俺もトドメさされた。だめだったのはラスト。どうしてもだめだった。大団円を狙ったのかもしれないけど、正直なんだこれはって思った。これまでの数々のドラマはこのラストの必然的ハーレム状態を作り出すための前フリだったのかよって悲しくなった。十人弱の女たちにタケルちゃん争奪戦かまされてめでたしめでたしって、えええ、マジなにこれ。ハーレム大好きか。これだけ大掛かりで壮大な物語つくっといて、結局不時着するのはそこなのかよ! 嘘だと言ってくれよ。ここに一人でもサブキャラ男がいれば話は変わってくるじゃないか。だからなんで主人公に近い男キャラが一人もいないのかさっぱりわかんねえ。オルタの世界観(男不足)じゃ仕方ないかもしれないけど、その世界観自体が、ラストのハーレムを目的として作られてるんじゃねえの、と。いや、むしろ、巷に溢れてるハーレムっつー状況はこれくらいの土台がなきゃ実現しねえシロモノなんだよ!!っていうアージュの叫びなのか? だとすると天晴。ここまでするのかよって思わなくもないけど。俺だって別にハーレムが嫌いなわけじゃなくて、ただ男キャラが好きなだけなんだ。この物語で主人公に近い位置に男がいて、みんなと生死を共にするのを見たかった。残念だ。でも面白かった。