巨人軍、来期へ向けて

 なぜ俺が巨人という球団のファンでもないのに巨人しか話題にしないのかというと、地元では巨人戦しか中継していないからだ。実際に選手やプレイを見ずにデータだけであれこれ語るのは、確実性の面ではなんら変わらないとしても、いち野球ファンとしてあまり感心できた態度ではないと考えている。スカイパーフェクTVに加入しないか本気で親を説得したいところだが、スポーツ観戦が好きなのは家族の中で自分ひとりという現状では強く推せないものがある。なにしろニートですし
 さてその巨人だが、前回(6月24日〜26日)に引き続き、セ・リーグの首位を快走する中日にスウィープされた。この三連戦で勝ち越さなければ自力優勝の可能性が絶たれるという大事な試合であった。が、例によって、投手力、守備力の圧倒的な差がシビアに結果に現れた、巨人軍の選手を精神的に挫けさせる試合ではなかったろうか。四球で自滅するリリーフ陣、不安定きわまりない守備、繋がらない打線、かみ合わない投打。もっとも奮起しなければならない局面で、巨人の悪いところが全部出たと言っていい。3試合目にして5点取ったが、すべて本塁打の得点である。打線が線ではなくなってしばらく経つが、一向に繋がる気配が感じられない。
 この3試合の失策数は、中日が0、巨人が5である。ただで相手にヒット5本プレゼントしているのだ。うち3戦目に4失策が集中している。本拠地で首位のティームを迎え撃ち、連敗で迎えた3戦目にきて、この集中力の無さはどうしたことだ。すでに首位だとかゲーム差だとか言ってられるような状況ではない。このようなティーム状態にあって球場まで足を運んで応援しているファンに申し訳ないと思わないのだろうか。選手が心中でどう思っているにせよ、それは口ではなく、プレイで見せるしかない。それが、この結果だ。
 小久保は球宴前に復帰する見通しで、矢野も復帰が近いという。キャプテンがこのティームに合流した時、果たして胸中によぎるのはどういった感情か。
 「まっ、実力不足かな」と力なく笑う原監督。本当に足りていないのは、果たして何なのか。実力とは、何を指しているのか。打撃、守備、走塁、積極性、球際の執念、試合の勝ち負け、様々な要素が絡み合ってはじめて実力となるが、原監督はおそらく、それらすべてを指しているのだろう。なにしろ、不足していない要素こそ見当たらないのだから。
 
 もしこのティームが優勝するようなことがあれば、頭を丸めていいとさえ思う。
 そして、4月には多くの野球ファンがまったく逆のことを思っていたのだと、ふと思い出した。