世間では

 文化祭シーズンですが、ぼくはというとそんな世間の荒波などどこ吹く風、イベントなどお構いなしにバイトとPCの前を行ったり来たりする生活です。あ、そうだ、文化祭シーズだというのに、えろげーむをコンプリートしましたよ。天使のいない12月を。ええ、これも日本の文化の賜物という事にしましょう。万歳。
 どのシナリオも修羅場含みのセックス尽くしでたいへん面白かったです。紆余曲折を経ながらも当人同士の気持ちがあるベクトルに向き、雨降って地が固まりかけたところで物語は一応はENDを迎えますが、しかし客観的危機的状況は何一つ好転していないとか、むしろ悪化しているとか、周囲でいちばん重要な問題が解決していないとか、そんな終わり方ばかりだったような気もしますが、だからこそ楽しめました。ひとまずの自己完結、みたいな流れでいいじゃない。
 中途半端にニヒリストぶってるけど結局は優しくていざというときに頼りになる、と書くと割とありがちな主人公君になってしまいますが、この作品の彼は違いました。いざというときにまったく頼りになってないのが素敵過ぎる。どっちにも転んでしまえる危うさを持っています。境界線の上を行ったり行ったりたまに戻ってきたりして、見ている側としても心踊ったり苛々しっ放しだったりしますが。普通に相手に殺意を抱き、強姦願望を抱き、強姦し、怒鳴り散らし、死んじまえと罵詈雑言をぶつける。これで情け容赦のない暴力が入ってたら文句ないのですが、兎にも角にもいいキャラクターだw そのとことんまでの駄目っぷりが好感触。精神的に脆くてタフさが全然ないのもグー。
 麻生明日菜が個人的に好きなんですが、その理由は、かなりのネタバレを含むので自重w あのキャラはいい、特に後半なんか素敵過ぎる。須磨寺雪緒といういかにも漢っぽい名前のキャラも、あの阿呆さ加減がたまらない。あ、あれだけ引っ張ってあのオチとは! おかげでそれまでが全部嘘っぱちに感じられてしまいましたさ……。合理主義者なのか何なのか……いずれにせよ精神的成長の具合が極端すぎます。何が言いたいのかといいますと、ちったぁ主人公君を見習えw そう、躊躇いなど必要ないのだ。
 あと、オマケで触れられていた妹……恵美梨チャンですが、媚び媚びじゃないのがいいですよね。普通に死ねとか言ってますし。やっぱ妹には、兄を顎で使えるくらいの気概が必要なのですよ! 媚びなど不要。いや妹に限った話じゃないですが。……そう考えると、どのキャラクターにも媚びが見えなかったのはあながち偶然ではないの、かも。新しい風吹かしてくれる作品ではあると思います。大円団なんて要らないから、もっとビチビチにしてくれい。肥溜めみたいに。この作品の毛色、カレーにうんこを混ぜたような話であったので、満足度はかなり○。
 リアルリアリティを感じさせてくれたので、満足ナリ。